こんにちは、スタッフの YUTA です!
ロードバイク歴 11 年の私から、箱根やその周辺のスポット紹介を主に担当していきます!
今回、タイトルの通りに旧:相模国の海と山を楽しめるルートを考案・実走してきました。
ルートを 4 セクションに分けて紹介していきますので、どうか最後までお付き合いお願いします m(__)m
TENT~芦ノ湖
スタートから芦ノ湖までの序章は、いきなりの苦行コースです。距離は約 10km と短いです が、強羅(標高約 550m)から国道 1 号の最高地点:874m まで登ることが出来ます。 幾つかのつづら折りを乗り越えて登っていく道で、最高地点の手前までは特に大きく降る ことはない為、続く登坂に少しずつ削られていくことでしょう。しかし一定の強度が安定して 続く為、淡々とヒルクライムを練習したい人にはオススメ出来るかも知れません!
ここは箱根駅伝のコースの一部であり、ゴールの芦ノ湖に向けての最大の難所となってい ます。今回のコースにおいてはまだまだ序章ですが、ここをゴールにしてクライマックスを迎 えるライドをするのも非常に気分が上がることでしょう!
ここを超えて降り続けると、巨大な鳥居とその向こうに見える広大な芦ノ湖が出迎えてくれ ます。江戸時代には箱根宿が置かれていた為なのか、宿や休憩所が多く存在しており、わ かさぎや蕎麦といった名物もあります。…ここで終わりにしてビールや日本酒が飲みたいっ
て?気持ちは分かりますがもう少しだけお付き合いくださいませ。
芦ノ湖~熱海
「天下の険」たる三島~箱根関所と並び、熱海~芦ノ湖の十国峠・熱海峠超えもそれに負 けず劣らずの険道です。今回は逆に降るルートなのであまり厳しくなく、高標高から遥かな 山を見降ろしてのダウンヒルは素晴らしい景観と高揚感を提供してくれます!
ところで、「東海道中膝栗毛」の弥次・喜多コンビは、芦ノ湖から現在の国道 1 号を通って 三島宿を目指しましたが、これは作品名の通り、旧東海道である国道 1 号を通っている為 です。しかし、その東海道を整備した江戸奉行は何を考えて、この様な険道を東海道とし て整備したのか、不思議ではありませんか?関所で関銭を徴収するにしても、これほど厳 しいルートでは交通量も減ってしまいそうなものです。
これについては、西側諸国の反乱からの江戸の防衛という点や、当時の富士山の噴火活 動状況によるところが大きい様です。こう考えると、現在の東海道本線・新幹線が箱根を避 けて海側を通っていることにも納得が行くのではないでしょうか? しかし私はついつい、徳川幕府の要職がド S の集まりで、後の参勤交代で外様大名へ嫌 がらせをする為なのではないかとか、徳川将軍が京都方面へお忍びで遊びに行っていた のではないかという邪推をしてしまうのです(笑)。
熱海~小田原
国道 135 号を通って 20km程、右手に遥かな太平洋を眺めるこの道こそ、東海道の醍醐味 というべきでしょう。今も昔も道の高低差においては大きな変化がないことを考えると、やは りこの道が東海道の最有力候補であったのではないかと思います。 海沿いの道で、市場や食堂が多数あり、海産物を楽しむことが出来ます。海の幸をいただ き、かつての東海道の宿場町である小田原では温泉を楽しむ。そんな旅情溢れる時間を この短い距離・時間の中でも楽しめるので、是非とも実際に走ってみてほしいです!
今回のルートの中では、登り降りの落差が比較的小さく、風が弱ければとても穏やかな癒しコースとなるでしょう。
今回の昼食には、季の食 妙(https://tabelog.com/shizuoka/A2205/A220502/22030747/)で「妙定食」をいただいてきました。
アジやマグロといった刺身を 4 種類、更にサバの干物もついての 800 円という値段にも惹 かれましたが、何より新鮮な地物が食べられるお店を探していたところにぴったりでした。 味も予想通りに美味しく、ハズレの全くない高品質な定食です。一品もののメニューも充実 しており、友人とのランチだけでなく、夜の飲みにもうってつけです。近くに寄った際は是非 とも試してみてほしいですね!
小田原~TENT
ここが最後の難所です。小田原駅から強羅駅まで距離にして約 15km、箱根登山鉄道(台 風 19 号の影響で停止中、湯本駅から先は代行バス有)の沿線をひたすら登り続けます。
新旧多くの温泉宿が立ち並ぶ湯本駅は、今日も沢山の観光客で賑わっています。私もこ の湯の国旅情を堪能したい気持ちをぐっと堪えて、明るい内に TENT に戻る為に走り続け ました(涙)。時間のある方には、是非とも温泉や食べ歩き・飲み歩きを楽しんでいただきた いですね。
湯本を通過すると、観光要素が少ない山道を登り続けて強羅までの道程となります。例え るなら「千と千尋の神隠し」の様な、異世界から何の変哲もない山道に戻ってきた様な感覚 を覚えるかもしれません。多くの自転車乗りはこの登坂の苦しみの中で、自らの身体からの 情報と思考に浸かる様な静謐な時間を楽しめることでしょう。繰り返すつづら折りや、川や 滝の水の流れの中で過ごす時間は、ちょっとした禅体験の様なトランス感覚でした。
そうして戻ってきた強羅の風景は、人数や店舗の密度によってやや雑多な感じもある湯本駅とはまた少し異なる、落ち着いた高級感の漂う温泉地です。京都の金閣寺を湯本とするならば、強羅は銀閣でしょうか。
これにて今回のライドは終了となりましたが、いかがでしたでしょうか?これを読んで実際に走って みたくなった人、キツそうで遠慮したい人、はたまたバイクや車で走ってみたいという人もいること でしょう。 箱根ではその険しさの為に開拓され切っていない山野と、そこに息づく古くからの人々の歴史を 感じることができます。都心から 2 時間程で来られるこの秘境の地の魅力を、より多くの方々に 知ってもらえたらと思い、今回のルート実走を行いました。
今後も箱根周辺の自転車ルートを開拓・紹介していきますので、よろしくお願い致します!